2009年5月1日金曜日

捨てる覚悟と、何を捨てるかという認識

[On Off and Beyond: 海外で勉強して働こう]
[日本を脱出した人のことは置いといて、そろそろ誇りある撤退戦の準備でもはじめましょう - Future Insight]
どっちがどっちを言い負かすか、というような性質の話ではないなあ。人は、自分の立場を超えた意見を持ちえないってことで。八百万の神々的な日本の価値観では、どっちの意見もあっていいじゃんって事になって、そもそも議論になりません。実はいいたいことはここまでで、あとは蛇足になります。

人が、その人の周囲の環境に打ち解けるため、現状をかつて所属していたコミュニティよりも善いものと認識し、また仲間を増やしたいと考えることは、心情的によく理解できます。繰り返しになりますが、人は自身の経験から最もよく学び、自らの行動規範とします。それを誰にとってもよいものと考えたくなるものです。そして、それは人の集合体である国も同じことです。普通は、どの国も自分の国のやり方が一番いいと思っている。
一点、気になるのは、海外で働く方向でポジティブな意見をお持ちの方々が、そうした受け入れ先の国々の姿勢に楽観的すぎなのではないか、ということです。地上に、永遠の楽園はないと思います。常に強いものと手を組み、上手に世の中を渡っていくのは稀有な能力です。ですが、古来、一度裏切り者のレッテルを貼られた登場人物の晩節は、だいたい暗くて悲しいものです。

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